最高裁判所第一小法廷 昭和29年(す)303号 決定 1954年8月05日
主文
本件請求を却下する。
理由
(決 定)
被告人戸塚九郎こと氏名不詳者(東京地検昭和二八年勾留第一四七五七号)にかかる公務執行妨害、傷害被告事件につき弁護人植木敬夫外九名から当裁判所に対し勾留理由開示の請求があったが、勾留理由開示の請求は、同一勾留については勾留の開始せられた当該裁判所において一回に限り許されるものと解すべきである。本件記録によれば、被告人に対する勾留は第一審以来継続しているのであるから、当審において申立てられた本件勾留理由開示の請求は、許されないものといわねばならない。
よって裁判官全員一致の意見で次のとおり決定する。
(裁判長裁判官 真野 毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎 裁判官 入江俊郎)